遺産分割協議を行い、協議書まで作成すれば各種財産の名義変更、解約手続きが可能になります。主な財産の手続きは下記のとおりです。
(1)預貯金
預貯金を相続したら、金融機関へ払い戻しの手続きを行います。本人確認書類や通帳、キャッシュカードなどを用意し、解約請求書などの書類を提出しましょう。
次のような書類が必要です。(遺産分割協議書がある場合)
①金融機関所定の相続手続依頼書
②遺産分割協議書(原本)
③被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍 (除籍)謄本
④相続人全員の現在の戸籍謄本(被相続人の戸籍謄本で確認できる場合は不要)
⑤相続人全員の印鑑証明書
⑥通帳または証書、キャッシュカード 等
※法定相続続情報一覧図がある場合は③と④は不要
※遺産分割協議書がなくても、相続手続依頼書に相続人全員の署名押印があれば手続き可
(2)不動産
不動産を相続したら、法務局で相続登記をしなければなりません。申請書を作成して必要書類を用意し、管轄の法務局へ提出しましょう。
次のような書類が必要です。(遺産分割協議書がある場合)
①登記申請書書
②遺産分割協議書
③被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍 (除籍)謄本
④相続人全員の現在の戸籍謄本(被相続人の戸籍謄本で確認できる場合は不要)
⑤相続人全員の印鑑証明書
⑥被相続人の住民票(除票)か戸籍の付票
⑦不動産を取得する相続人の住民票
⑧固定資産の評価証明書
⑨相続関係説明図
※法定相続続情報一覧図がある場合は③、④、⑨は不要
登記手続きについては、前の記事を参照。
(3)株式名義変更
上場会社の株式の場合には、証券会社に株式管理を任せていますので、取引先の証券会社に連絡を入れ、預けている株式の名義変更に必要な書類を送ってもらい、名義変更の申請書とともに必要書類を揃えて返送すれば、名義を書き換えてもらえます。故人名義の口座のままでは、売買や換金などができないため、相続人の証券口座へ、故人保有の株券等を移管します。相続人が証券口座を持っていないときは、相続手続きのために、新しく証券口座を開設しなければなりません。相続人の証券口座へ故人の株券等が移管されたあとは、相続人が、自身の口座で、売却・換金の手続きを行います。
非上場会社の株式の場合、証券口座を介さず直接会社で株主の管理が行われていますので、発行会社に対し、直接名義変更の申請を行います。発行会社にお問い合わせください。
<名義変更する場合に必要な書類>
①株式名義書換請求書
②被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍 (除籍)謄本
③相続人全員の現在の戸籍謄本(被相続人の戸籍謄本で確認できる場合は不要)
④遺産分割協議書
⑤相続人全員の印鑑証明書
※法定相続続情報一覧図がある場合は②、③は不要
(4)自動車名義変更
乗用車と軽自動車で手続き場所や提出書類が異なります。
①自動車
管轄の陸運支局で手続きをします。新所有者の使用の本拠地によって管轄が異なるので、ナンバーが変わる場合がある。その際には車の持ち込みが必要となるため、事前に確認しておく。また、名義変更前に警察署で車庫証明書が必要となる。
<名義変更する場合に必要な書類>
・申請書(運輸支局に用意)
・手数料納付書(運輸支局に用意)
・自動車税・自動車取得税申告書(運輸支局に用意)
・遺産分割協議書
・故人の死亡が確認できる戸籍謄本、または除籍謄本
・相続人全員の記載がある戸籍謄本
・自動車検査証(車検証)(車検が切れていないこと)
・相続人の車庫証明書(発行日後おおよそ1ヵ月以内)
・相続人の印鑑証明書(発行日後3ヵ月以内)
・ナンバープレート(管轄地域が変わる場合)
②軽自動車
軽自動車は管轄の軽自動車検査協会で手続きをします。車庫証明も不要。ただし、新所有者の使用の本拠の位置が変更となる場合はナンバーが変わる可能性がある。その場合は手続きをする軽自動車協会も異なるので事前に確認が必要。
<必要な書類>
・新所有者の申請依頼書(認印の押印があるもの)
・軽自動車税(種別割)申告書(軽自動車検査協会に用意)
・軽自動車税(環境性能割)申告書(軽自動車検査協会に用意)
・相続人の住所を証する書面の写し(住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)か、印鑑(登録)証明
書。発行後3ヵ月以内)
・自動車検査証(車検証)(車検が切れていないこと)
・自動車検査証記入申請書(軽自動車検査協会に用意)
・戸籍謄本等(所有者が死亡した事実と新しい所有者が相続人であることが確認できる戸籍(コピー可)、法定相続情
報一覧図でも可)
・ナンバープレート(管轄地域が変わる場合)
(5)生命保険
生命保険の被保険者が死亡した場合、入院・手術した場合などの保険金・給付金の請求手続きについては、契約している生命保険会社に連絡しご確認ください。