相続登記が義務化されます

1 令和6年4月1日から相続登記が義務化されます

 東日本大震災での復興事業を契機に所有者不明土地問が顕在化し、公共事業の用地取得等において、大きな問題となっています。
 平成30年度版土地白書によると、不動産登記簿で土地所有者の所在が確認できない土地は20.1%となっており、うち相続による所有権移転登記がされていないものの割合が66.7%もあったとされています。
 所有者不明土地問題の解決を図るため、令和3年に民法が改正され、令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されることになりました。相続により不動産を取得した相続人は、3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました。令和6年4月1日以前の相続であっても、遡及適用され、令和6年4月1日より前に相続した不動産は、令和9年3月31日までにする必要があります。
 法務局では、所有者不明の土地を解消するため、長期間(30年以上)にわたって相続登記を行っていない土地を調査し、その土地の法定相続人のうち任意の1名に対して、通知(長期間相続登記等がされていないことの通知)を発し、相続登記を促しているところです。 

2 3年以内に登記しないと過料も

 この改正により、正当な理由なしに3年以内に登記しなかった場合、10万円以下の過料を科せられる可能性があります。さらに、所有者の住所や氏名が変わった場合の変更登記も義務化もされます(令和8年4月までに施行予定)。住所、氏名の変更については、変更したときから2年以内に変更手続きを済ませておかないと、5万円以下の過料の対象となります。
 「正当な理由」があると認められる場合とは、①相続登記を放置したために相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の必要な資料の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース、②遺言の有効性や遺産の範囲等が争われているケース、③申請義務を負う相続人自身に重病等の事情があるケースなどとされています。
 

3 相続登記は自分でもできる

 相続による所有権の移転登記は、不動産の所在地の法務局に申請して行います。相続登記を含め、相続の手続きは、相続人である自分が行うことも、専門家に依頼することも可能です。自分ですれば費用はかかりませんが、戸籍の収集や遺産分割協議書の作成など結構面倒な作業になります。相当の時間と手間がかかります。平日でも時間がとれ、労をいとわない方は自分で手続きすることをお勧めします。面倒な手続きに時間をかけている余裕のない方は、専門家にご相談ください。
 法務局でもホームページで手続きの案内や登記相談を行っています。
 下記の法務省民事局のページをご参照ください。「登記申請手続のご案内」(法定相続編/遺産分割協議編)では、比較的単純な相続のケースについて、その申請手続をコンパクトに説明しています。    
 法務省:あなたと家族をつなぐ相続登記 ~相続登記・遺産分割を進めましょう~
※「長期間相続登記等がされていないことの通知」を受けた方は、この通知をもって法務局に行き、閲覧申請を行うと法定相続人情報の一覧図が交付されます。これに記載された作成番号を登記申請書に記載すれば戸籍や除籍の添付を省略できます。

4 相続登記の推進のための免税措置も

 相続による所有権移転登記の登録免許税は、不動産の課税価格(固定資産評価証明書の評価額)に 1,000 分の4を乗じた額で、その額が 1,000 円に満たないときは、1,000 円となります。
 相続登記の推進のため、相続により土地を取得した人が相続登記をしないで死亡した場合の相続登記や不動産の相続税評価額が100万円以下の土地の相続登記については、令和7年3月31日までは、登録免許税が免税される場合があります。

5 義務化に向けた対応を

 これまでは、相続登記は任意であったため、特に資産価値のない不動産については登記をせず放置しているケースも多かったかと思いますが、相続登記を長期間放置したままにしていると、相続人の死亡により法定相続人が増えて、名義変更が更に困難になります。また、名義変更ができない結果、売却ができなくなったり、担保にすることができなくなったりといった問題が将来が発生したりすることもあります。
 相続登記の申請については、制度スタートから3年間の猶予期間があります。それぞれのケースに応じ、今のうちから、準備をしておくことが必要です
 

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