1 戸籍の附票が必要なとき
戸籍謄本は、身分関係や本籍地が記載される書類で、住所の記載はありません。住民票には、住所の記載はありますが、同じ市町村内での住所の履歴と、転入してきたときの前住所です。これに対し、「戸籍の附票」は、戸籍作成時点から、戸籍在籍中のすべての住所の履歴が記載されています。本籍地を移動しなければ、ひとつの戸籍の附票にすべての住所が記録されていす。
戸籍の附票の写しが必要になるのは、たとえば不動産を相続した場合の名義変更手続き(相続登記)で、亡くなった方の登記簿上の住所地と最後の住所地が違う場合があります。その場合、登記簿上の住所地から最後の住所地まで住所が移転したことを証明する必要がありますが、住民票の写しではそれが証明できない場合に戸籍の附票の写しが必要になります。
また、遺産分割協議を行う際は、相続人全員での協議、署名が必要となりますが、現住所の分からない相続人がいる場合に、戸籍の附票を取得し、その人の住所をたどることができます。
2 住民票の写しとの違い
戸籍の附票は、住民基本台帳法(第16条)に基づき、戸籍を単位に作成される付属帳票です。具体的には、氏名、性別、生年月日、その戸籍にはいっていた当時の住所変更の履歴、各々の住所を定めた日を記録・公証するもので、本籍地の市区町村が管理しています。A市に戸籍をおいている方が、市内・市外問わず住民票を異動があると、新しい住所地の役所から本籍地の役所に通知され、戸籍の附票に記録されます。
この附票の情報を記載した証明書が戸籍の附票の写しです。住民票の写しも住所地を証明するものですが、同じ市町村内での住所の履歴と、転入してきたときの前住所です。転入する前の住所地の記載はありますが、それ以前の住所地については記載がありません。なので、それ以前からの住所地の変遷を証明する必要があるときは、戸籍の附票の写しが必要になります。
戸籍の附票には、次の事項が記載されています。
・氏名
・住所
・住所を定めた年月日
・生年月日
・性別
本籍地及び筆頭者は、記載されませんが、戸籍の附票を請求する人が記載を申し出た場合は、記載されます。下の画像は戸籍の附票のサンプルです。
平成16年度から戸籍がコンピュータ化され、同時に戸籍の附票も改製されましたが、コンピュータ化前の附票(改製原戸籍の附票)は、保存期間が5年間であったため、破棄されており、取得することはできません。
3 戸籍の附票の写しを取得できる人
戸籍の附票の写しを取得できる人は、(1)~(3)に該当する人か、その委任を受けた代理人です。
(1)戸籍に記載されている人本人
(2)戸籍に記載されている方の配偶者、直系尊属(父母や祖父母)、卑属(子や孫)
(3)戸籍請求の正当な権利義務がある利害関係者(理由や証明書等の提出必要)
4 戸籍の附票の写しの取り寄せ方
戸籍の附票の写しは、本籍地の市区町村の役所で取得することができます。自分の本籍地がわからない場合は、住民票の写しを取得するときに本籍地入りで取得すれば住民票の写しに本籍地が記載されています。
請求書に必要事項を記載して、役所の窓口で取得します。窓口で運転免許証やマイナンバーカードなど本人確認書類の提示が必要になります。戸籍の附票の写しは郵送でも取得することができます。
(1)住民票・印鑑登録証明書・戸籍等交付請求書
(2)印鑑(スタンプ式不可)
(3)窓口に来られる方の本人確認書類(運転免許証等)
(4)必要な戸籍の方との親族関係が確認できる資料(戸籍等)
※戸籍(除籍、改製原戸籍)で親族関係が確認できる場合不要
(5)代理人が請求する場合には、委任状
地域によっては、マイナンバーカードを使ってコンビニのマルチコピー機から取得することができます。