相続登記で登録免許税が免除になる

 近年、所有者不明土地の増加が、社会問題となっています。所有者不明土地とは、所有者がわからなくなってしまった土地や所有者と連絡が取れなくなってしまった土地のことを指します。
 全国の所有者不明土地が占める割合は22%で九州本島の大きさに匹敵するともいわれています。今後、高齢化による死亡者数の増加等により、ますます深刻化するおそれがあり、その解決は喫緊の課題とされています。
そうしたことから、所有者不明土地の発生を予防したり、既存の所有者不明土地問題へ対処するための令和3年に民法の改正等が行われました。
 令和6年4月1日からは、相続登記の申請が義務化されます。相続によって不動産を取得した相続人は、その不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしな ければならないこととされました。正当な理由がないにもかかわらず申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。
 相続登記の申請をする場合には、登録免許税を納付する必要があります。登録免許税額は、固定資産税評価額の1,000 分の 4を乗じて計算した額です。
 相続登記の推進のため、令和7年3月31日まで、不動産の価額が100万円以下の土地の場合など、一定の相続登記については、登録免許税が免税されます。

免税措置の対象は以下の場合です。
(1)相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合
  個人が相続(遺贈も含む)により土地の所有権を取得した場合において、当該個人が相続による所有権の移転の
 登記を受ける前に死亡した場合、その死亡した個人をその土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記
(2)不動産の価額が100万円以下の土地
  土地について相続(遺贈も含む。)による所有権の移転の登記を受ける場合において、不動産の固定資産税評価
 額(※1)が100万円以下の土地であるとき
  ※1不動産の所有権の持分の取得に係るものである場合は、当該不動産全体の価額に持分の割合を乗じて計算し
   た額が不動産の価額となります。  

 相続登記の登録免許税の免税措置を受けるには、「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と申請書に記載しなければなりません(記載がない場合は、免税措置は受けられません。)。
 相続登記が未了のまま不動産があれば、減免措置がある間に相続手続きや所有権の移転の登記を行うことをお勧めします。

 参照:相続登記の登録免許税の免税措置について:法務局 (moj.go.jp)

行政書士・社会福祉士竹内倫自のホームページ